半径1㍍禁止
「…あれは、持った。
あと…、うん。持った持った。」
歩きながら、頭の中でもう一度確認する私。
「なんで、今頃確認してんの。」
桐斗が呆れ顔で言った。
「うるさいなぁ。……あとはー、」
「…人が持ってあげてるのにねぇ。」
桐斗が小さな声で言う。
私は、聞こえてない振り。
「…あっ…。」
忘れた……。
「着いたよ。」
「……忘れ物した。」
私が言った。
「だから、なんで今頃……。」
「携帯忘れた。」
あー、携帯依存症なのにー。←
「……携帯か。なら、いいね。」
桐斗が私の手をひく。
「携帯だから、よくないんだよっ。
取りに行かなきゃ。」
私が桐斗に訴える。