半径１㍍禁止

「はいはい。

真美も、厚化粧で
時間かからないようにね。」

「はぁ！？
厚化粧じゃないってば！

真美、すっぴんもイケるしっ！」


自分でイケるって、言われてもね～。



それから、ずっと
遅くまで家で遊んでいた。

夜10時ぐらい。


――ガチャ。


「藍衣ママ、帰ってきたんじゃない？」

真美が言った。

「まじかよ。外行かない？」

私がダルそうに言う。

「いいよ～。」


立ち上がって、階段を下りた。

玄関までくると、お母さんがいた。


私をずっと、見てくる。

何？

真美は、頭を軽～く下げる。


「おかえり。」

私は、そう言って家を出た。

お母さんには、
生意気な口があまり叩けない。

だって、あんな目で見てくるから。