半径1㍍禁止

「やだよ、面倒くさい。」

桐斗が嫌そうな顔をする。


結構、そっからそこですけど…。


「あたし、携帯依存症だからー!」

常に携帯ないと落ち着かないんだよー。


「なら、なおさらいいじゃん。
依存症なおしなよ。」

桐斗が言う。


「違うっ!ダメなのー!」

私が桐斗の手をひく。


「……うるさいよ。
俺の携帯でも、いじっときゃいーでしょ。はい。」

桐斗が自分の携帯を差し出した。


「あのー……。」


さっきから、“俺のでも”ってー。

なんでも、桐斗のだったらいいってわけじゃないんだっつのっ!


「……いいでしょ?」

桐斗の顔が怖いっ…。


「…いいよ、もうー…。」

膨れっ面になり言った。

< 430 / 504 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop