半径1㍍禁止

結局、大人しく桐斗の家にお邪魔する事になった。


「お邪魔しますー…。」

恐る恐る家の中に入る。

「誰もいないから。」

桐斗が笑って言った。


先に言ってくれ…。


「なんか飲む?」

リビングのソファーに座った。

「飲むっ!」

私が言うと、桐斗は笑う。


――シュワーッ


「あ、コーラだっ。」

「好きでしょ、藍衣。」


覚えててくれたんだ。

なんだか、嬉しくなった。


「ありがとー。」

一口飲んで、周りを見渡す。

落ち着かない…。


「…そわそわしすぎ。」

桐斗が私の隣に座った。


あー…、もっと落ち着かない。


というよりも、

「…近いと、思う…。」

私が苦笑いで言った。


もっと、ゆとりをね…。

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