半径1㍍禁止
知らない事
「ね、ねえっ…。
本当にこんな事してていいの?」
私が恐る恐る聞く。
「あのさ。何回聞くわけ?」
桐斗が私の顎を掴んだ。
「…わわっ…。」
思わず後ずさりする、私。
「だって、処分くらってるのに…。」
呑気にデートってっ…!
「別に、処分くらっててもどう過ごすかは勝手でしょ?
ま、藍衣は学校サボってデートだからね。」
桐斗が笑う。
「だって、それは桐斗がっ…!」
「はいはい。」
もうー…。
ムスッとする私を見て、また笑う。
「藍衣とデートしたかっただけ。
だから、いーだろ。」
いつも。
意地悪言った後には、嬉しい言葉をくれる。
そんな事言われると、何も言えなくなるって分かってるくせに。