半径1㍍禁止

「藍衣。」

そう言って、手を出してくる。

私は、何も言わずにその手を握った。


それにしても、寒い…。


と、思って気づいた事。

歩いていると、クリスマス一色だ。


「…早い…。」

早すぎる…。

「…何が?」


「もう、クリスマスっていうのがー。」

私が桐斗を見上げて言う。


「ばあさんみたいな事、言うね。」


ほっといてください。


「…おばさんですからー。
ってか、お腹空いた。」


ごはんっ!朝から、何も食べてないっ!


「我が儘。」

桐斗がそう呟いたのを聞き逃してなかった。


「…桐斗に言われたくない。」

私が言うと、桐斗は笑う。


「相変わらず生意気だね。」

そう言って、不意打ちにキスされた。

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