半径1㍍禁止

「…………。」

一気に顔が熱くなる。


「…顔赤いよー。」

桐斗が私のほっぺをつまんだ。


「…ひっ!冷たっ…!」

手冷えすぎ…。


「寒いんだよ。」

そう言って、また私の手を握る。



カップルみたい。

けど、付き合ってはいないんだ。


…悲しいような寂しいような。

もどかしい。


モヤモヤした気持ちになる。



「…――い…藍衣。馬鹿ー。」


「……へ?」

桐斗が私の目の前で、手をヒラヒラしていてハッとした。


「…何食べるって聞いてんの。
どうかした?」

桐斗が首を傾げる。


「なんにも…。」

考えすぎだ。


この一週間で、悩みは解決できるはずっ。


「俺、決ーめた。」

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