半径1㍍禁止
ねえ、本当に……。
「ふああー…。」
いつも朝はダルい。
「……はあ。」
横を見ると、桐斗が寝ている。
それだけで、寂しさと不安は吹っ飛んでいく。
――早く、俺のものになれば?
何回、こんな事を言われただろう。
この時、「うん」って言えば。
桐斗のものになってたの?
返事したら、付き合えるの?
もう一回、好きって言ってよ。
もう一回…。
遊びなんかじゃないって。
真剣に好きだって。
――いつだって、本気。
なんでだろう。
不安になるんだ。
そんな事を言われても…。
過去は、消せないんだから。
あの言葉だって…。
嘘だって、信じたいのに…。
心のどこかでは、まだ疑っている。