半径1㍍禁止
「分かんないー…。」
桐斗の馬鹿ー。
寝顔を見て、心の中で嘆いていると、
グイッ。
突然、手首を掴まれた。
「……何が、分かんないって?」
欠伸まじりに桐斗が言う。
聞かれてた………。
「べ…別に…。」
私が目を逸らして言う。
「ほら、また。」
桐斗が呆れた顔をする。
「…………。」
黙って桐斗を見た、私。
「なんか言いたい事あるんだろ?」
…………あるよ。
いっぱい……ある。
「俺に隠し事あんのかよ?」
桐斗が覆い被さってきた。
両手首を掴まれて、身動きできない。