半径1㍍禁止




「いい迷惑だよ…。」


掠れた声で裕が言う。




胸が苦しくなる。




あたし…、


裕を傷つけてるんだね。





「…………迷惑だねっ…。」






私が言ったことは、ただの迷惑。



こんなこと言ったって、私は桐斗が好きで。



裕が好きとは言わないくせに、こんな卑怯なことばかり言って。








「………ごめ…、」






また謝ろうとした。




のに、裕の体が離れて。




耳を疑った。











「…………行けよ。」







裕が私に背を向けた。




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