半径1㍍禁止
「……え、お…お姉ちゃん…?」
私は、再び尋ねた。
「あら、知らなかったのかしら?
桐斗の姉の美優っていうの」
そう言って、ニッコリ笑う。
美優 ミユウ
お姉ちゃんもいたなんて…。
しかも、超美人だし。
ここの家族どうなってるんだよ…。
ってか、あの真美っ…!
勝手な勘違いだったということが分かった。
けど、どうりでマイペースな所が似てると思ったよ……。
「藍衣、早くー」
2階から、桐斗の呼ぶ声が聞こえる。
「…あ、じゃあ…」
あたしは、ペコペコ頭を下げて階段を上がった。
あんな別れ方をして、なんで優しいの?
なんだか、ホッとしたあたし。
けど、そんな考えは間違いだった。