半径1㍍禁止
久しぶりだな……。
恐る恐る桐斗の部屋のドアに手を掛けた。
ってか、ドア閉めなくてもいいじゃん。
「……桐斗…?」
部屋に入ると桐斗がベッドに腰掛けていた。
「……藍衣は、なにしにきたの?」
「……え?」
かけられた言葉は、意外にも冷たいものだった。
「…今更、なにしにきたのってこと」
桐斗が冷めた目で私を見る。
確かに今更だよね……。
なにを言おうか戸惑っている私に、桐斗は苛立っていた。
「あの時、俺より裕を選んだんでしょ?」
「……違う…間違ってた」
私がそう言うと、桐斗は驚いた顔をする。