半径1㍍禁止


「いやだ。」

ニッコリ笑う。

「どいてってば。」


「いやだってば。」

そう言うと、腕を引っ張られて。

「…んきゃっ…。」


――グイっ


顔が一気に近づいた。


あと数センチ動いたら、
キスしそうな距離だった。

目がバッチリ合う。


「学校の事。教えてよ。」

桐斗が囁くように言う。

息がかかって、くすぐったい。


それ以前に私の心臓がヤバいんだけど。


「…ぃやだ。」

そんなので、いいよとか言う程
柔(やわ)じゃない。


「じゃあー…、俺も、どかない。
体制もこのまま。」

桐斗が笑って言った。


なんなの!?

その余裕さがムカつくんですけど!!


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