半径1㍍禁止
――ガタンっ!
そこにあった、私の机を蹴っ飛ばした。
「何すんの?」
私が立ち上がって言う。
「お前に、
何が分かるかって言ってんだよ。」
きっと、裕は。
相当我慢してるんだと思った。
拳が異常に震えているのが分かる。
もう、手出せばいいじゃん。
殴れよ!!
けど、もちろん裕は手を出すはずがない。
それが、悲しくなって。
「……意味わかんないっ。
分かるはずないじゃん!
何にも、言ってくれないんだから!」
そのまま、教室を飛び出した。
ずっと、そうだった。
裕は、何も教えてくれない。
私の事ばっかりで。
自分の事は、言わない卑怯者。