記憶がなくても愛してるって伝えたい
「な!何言っているのよ!」





「思い出したよ。さっき」
「…記憶が戻ったってこと」

「ああ」


凌は無表情のままで言った。


「確かに凌はあの時記憶を失ったけど。記憶が戻ったのは凄く嬉しいけど、なんでこんな、ありもしない。どうして。おかしいよ。そんな」


真奈は頭を抱えた。


「おかしいのはあんただ。行こう」

「うん」


そう言いながら凌と女性は立ち去って行った。真奈は思わずその場で座り込んでしまった。そして数秒後。その場から立ち上がり。歩き出した。そしてバタン。真奈は木更津家に帰ってきた。かなり途方にくれていた。
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