記憶がなくても愛してるって伝えたい
凌は思わず起き上がった
いきなり頭痛が




「つう」




真奈は(涙)を流しながら




「お兄ちゃん、よかった」




笑顔で
すると 凌は不信に思い
真奈に目線を向け




「誰?あんた」





「えっえっ?」




嘘!!




「お兄ちゃん?冗談?私よ?真奈よ?お兄ちゃん」




顔を近づけている




「真奈?わからない。俺はいったい」




混乱




「記憶喪失か」




そうだった
真奈は黙ったままだった
翌日・
退院決定 ルカは一度も見舞いに行かなかった




「記憶喪失ですって?」




びっくり





「そうなの。だから、記憶を取り戻さないと」




凌も翔も一緒だった




「まったく次から次へと」




冷めた目線で


「かっ母さん」
「俺、部屋に行くから」




凌は逃げるように二階にあがりはじめた




「お兄ちゃん!待って」




真奈は追い掛けた
そして・凌の部屋・




「ここが、俺の部屋か」




ボソッ




「そうよ」
ちょっと体が震えている




「何かささいなことでも、いいから思い出せない?」





「わからない」




首を振った
かなり悲しげ




「あの人」




ベットに座りながら




「あの女の人、俺の事、嫌ってるみたいだな」




ボソッ
目線を下に向けた




「お母さんのこと?」




凌は顔をあげながら




「ああ、あの人、本当に俺の母親なのか?」




聞いてみた




「違うの。お兄ちゃんはずっと昔に。この家の前に捨てられていたの。実のご

両親も知らないし」

< 16 / 169 >

この作品をシェア

pagetop