記憶がなくても愛してるって伝えたい
「また寝てたの?」




凌はアクビをしながら




「なんだか、最近眠れなくてさ、なぜだろ?」




不思議な顔で真奈を見た




「お兄ちゃん、今日はお祝いよ?お母さんもそう言っていたし」





しかし凌はあまり嬉しそうではなかった どっちかっていうと辛そうな顔をしていた 落ち込んでいた




「ああ、母さんが言っていたな。まあどうせ今年も俺はのけ者になるんだろうけどな」
(俺は誰にも歓迎なんかされない存在なんだ。)





真奈は凌の腕を抱きしめ




「お兄ちゃん、今年こそは」




凌は真奈の手を触り




「わかってるんだ。俺はあの家では、邪魔者。あの人(ルカ)の言うとおり、俺は親に捨てられたノラ犬にすぎない。こうやって生きてる価値もないのかもな」




涙を堪えている
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