加納欄の想い シリーズ12
加納欄の想い シリーズ12
「うわぁ~(@_@)」

 自分の声で、目が覚めた。

 辺りを、キョロキョロ見渡してみた。


あ。


なんだ。


夢か・・・(-.-)


 大山先輩と高遠先輩と目があった。


あ・・・。


「すみません。夢みてました」

 そう言って、あたしは、口元にヨダレが出てないか、確認した。

 時刻は、夜中の1時30分を過ぎていた。

「なんの夢だよ」

 笑いながら大山先輩が、聞いてきた。

 それに対して素直に答える。

「なんでだかわかんないんですけど、アメリカに行ってて、こんなおっきいビフテキ食べてたら、牛に襲われました」

 身振り手振りで説明を始めた。

「・・・それで飛び起きたのか?」

「はい」

「あんな、大声で?」

「はい・・・スミマセン」

「・・・・・・」

「スミマセン」


そ、そんなにうるさかったかな・・・。


自分で飛び起きたんだから、相当か。

 一瞬首を傾げたけど、納得をした。今いる場所は南署の刑事課、そして仮眠を取るためにソファーでうたた寝をしていたらしい。

「仕事終わったんですか?」

 あたしは、寝ていたソファーから立ち上がり、二人の先輩達の所へ歩いた。

「オレは宿直だから、ゆっくりやるよ。欄は、仕事ないんだったら帰れよ。こんな所で寝てたら、風邪ひくぞ」

「私、あと少し残ってるので、それが終わったら帰ります」

「なんで寝たんだ」

「眠かったんで・・・」

 あたしは、高遠先輩の質問に素直に返し、コーヒーを3人分紙コップに注ぎ、高遠先輩と大山先輩へ、手渡した。

「サンキュ。何の仕事残してんだよ」

 大山先輩に聞かれた。

「領収書整理です。思い出せなくて」

「半分返ってこないぞ」

「・・・ですよねぇ」

「最近厳しいからな。明確にかかないと、すぐ却下だぜ」

 こんな他愛もない話しをしている時が、あたしの幸せな時間だった。

 突然それを吹き飛ばす出来事が起きた。

 マシンガンの乱射の音だった。

 銃声が聞こえたかと思った時には、あたし達の所へ数人の男がマシンガンやら拳銃やら撃ちまくっていた。

 あたしは、反射的に先輩達から離れ床に伏せ、身を隠した。

 もちろん、先輩達もしているに違いない。

 あたしの場所からは、2人の先輩の姿をとらえることが出来なかった。

「欄、出てこぉい!まだ、いるのは、わかってんだぞ!顔見せろ!!」



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