加納欄の想い シリーズ12
 孔明師範は、寝室の外にいる誰かに向かって話しかけた。

 

え?



気配感じないけど(_ _)



「なんだよ。気づいてたのかよ。相変わらず変態だな」

 男性2人だった。

 あたしと、男性2人の目が合った。

 男性2人は、固まっていた。

 あたしもだけど。

 こんな全裸状態の姿を、見も知らずの異性に見られたのだ。

「イヤァ!!!!」

 あたしはその場にしゃがんだ。

 男2人は、孔明師範に突進してきた。

「欄、1人は任せますよ早く着替えなさい」



え〜(>_<)



ちょっとぉ!



こんな格好なのに!!



 あたしは、慌ててブラウスをはおり、片手で第3ボタン辺りまで、なんとかボタンをとめた。

 孔明師範を見ると、男2人を軽くあしらっているようにしか見えなかった。



あたし加勢しなくてもいいじゃん!



 孔明師範に向かって行っていたうちの1人に、攻撃をしかけた。

 相手は、スレスレに攻撃をよけた。

「欄!待てっ!どうしたんだ!やめろっ!」

 この人も、あたしの名前を知っていた。

「欄、わからないのか!しっかりしろよ!俺だ!」

 あたしは、攻撃をやめ、目の前の男性を見た。

 長身の男性からは、闘争本能を感じられなかった。

「・・・どちら様、で?」

 記憶にない人物だった。

 少し記憶が戻っていても、その中には入っていなかった。

 あたしが戻った記憶は、中国にいた頃の記憶だった。熱心に武術を教えてくれて、孔明師範を尊敬していた時期の記憶だった。

 孔明師範の言葉が第1で、黒も白だと思っていた時期だった。

「欄?」

 男が、優しい口調であたしに近寄って来た。この声にも、顔にも、どおしても覚えがなかった。

「欄!遊んでると、怪我をしますよ。ジャパニーズマフィアですよ」

 孔明師範の声が聞こえた。



あっ!



そうだ!



 あたしは、すぐに構えなおし、男に向かって、蹴りを入れ始めた。

「欄!どうしたんだ!高遠だ!わからないのか!」

 と、避けながら、あたしに話しかけた。

 高遠と言った人は、避けるだけで、攻撃は仕掛けてこなかった。



すごい。

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