加納欄の想い シリーズ12
あたしを恋人だと言った男は、名前を遼と、名のった。
信じたわけではなかった。遼という人が、私の恋人であることを。
ただ、その人は、何にもわからないあたしに、優しく接してくれていた。
遠距離恋愛らしく、なかなか会う時間がないことを教えてくれた。
「ケガ、大丈夫ですか?」
あたしは、肩の傷を気遣った。
「大丈夫だ、かすっただけだ。師範らしいやり方だよ」
「え?師範?なに?」
あたしは、聞いた。
遼さんは、ただ黙ったまま、あたしを見つめた。見つめられて恥ずかしくなり、あたしはうつむいた。
遼さんは、あたしの隣に座った。
ドキン。とした。
ナゼダロウ。
この人のことを思い出せないのに・・・。
遼さんが、優しく手に触れてきた。
「無理に、思い出さなくてもいいさ。欄が俺だけを見ててくれれば、記憶なんてないままでもかまわない。俺は、この先も、お前だけを愛してく」
そう言って、遼さんは、髪にも触れた。
「あの……」
遼さんの顔が近づいてきた。
え。
あ。
どうしよう・・・。
あたし、ホントにこの人と、付き合ってたの・・・?
拒む前に、遼さんに、唇をふさがれた。
優しいキスだった。
「このキス、覚えてない?」
遼さんに見つめられた。
「ご、ごめんなさい」
目線を外しながら答えた。
「よく、思い出して」
そう言って、遼さんは、またキスをしてきた。頭の奥で、何か聞こえたけど、聞き取れなかった。
「欄・・・」
遼さんは、名前を呼びながら、ブラウスのボタンを外しにかかっていた。
「遼さん、待って。あの・・・」
「待てねぇ・・・いつもは欄からねだってきてたろ?」
あたしの顔が、カァ~ッと赤くなった。
え?
そうなの?
あたしから?!
付き合ってるって、やっぱり、そういう関係なの(>_<)?
「遼さん、だって、まって、こんなトコで」
「いつもみたいに、遼って呼べよ」
「あの!りょ、遼!さんっ!待って・・・」
あたしは、遼さんの腕をつかんだ。
信じたわけではなかった。遼という人が、私の恋人であることを。
ただ、その人は、何にもわからないあたしに、優しく接してくれていた。
遠距離恋愛らしく、なかなか会う時間がないことを教えてくれた。
「ケガ、大丈夫ですか?」
あたしは、肩の傷を気遣った。
「大丈夫だ、かすっただけだ。師範らしいやり方だよ」
「え?師範?なに?」
あたしは、聞いた。
遼さんは、ただ黙ったまま、あたしを見つめた。見つめられて恥ずかしくなり、あたしはうつむいた。
遼さんは、あたしの隣に座った。
ドキン。とした。
ナゼダロウ。
この人のことを思い出せないのに・・・。
遼さんが、優しく手に触れてきた。
「無理に、思い出さなくてもいいさ。欄が俺だけを見ててくれれば、記憶なんてないままでもかまわない。俺は、この先も、お前だけを愛してく」
そう言って、遼さんは、髪にも触れた。
「あの……」
遼さんの顔が近づいてきた。
え。
あ。
どうしよう・・・。
あたし、ホントにこの人と、付き合ってたの・・・?
拒む前に、遼さんに、唇をふさがれた。
優しいキスだった。
「このキス、覚えてない?」
遼さんに見つめられた。
「ご、ごめんなさい」
目線を外しながら答えた。
「よく、思い出して」
そう言って、遼さんは、またキスをしてきた。頭の奥で、何か聞こえたけど、聞き取れなかった。
「欄・・・」
遼さんは、名前を呼びながら、ブラウスのボタンを外しにかかっていた。
「遼さん、待って。あの・・・」
「待てねぇ・・・いつもは欄からねだってきてたろ?」
あたしの顔が、カァ~ッと赤くなった。
え?
そうなの?
あたしから?!
付き合ってるって、やっぱり、そういう関係なの(>_<)?
「遼さん、だって、まって、こんなトコで」
「いつもみたいに、遼って呼べよ」
「あの!りょ、遼!さんっ!待って・・・」
あたしは、遼さんの腕をつかんだ。