ワイビーニュー
「そして、この屋上のはしっこから右足を踏み出しなさい。足もとに空気のブロックをイメージするのですよ。そして更に左足の着地点にブロックをイメージして踏み出しなさい。コンクリートのブロックでもシステム資源のブロックサイズでもどちらでもよろしい。空を駆けて帰りなさい。」
ユキは鍋島用のイチゴをポシェットに入れ、自らもイチゴを食べて屋上を走り出した。そして屋上の端っこからは、マネキンが言った通りに空気のブロックをイメージしながら一歩目を踏み出した。そして左足、右足、左足・・・。彼女は空中を走っている。その作業に慣れてきたら彼女は元の世界でいつも練習していたコースをイメージして、空気の舗装道路を作り上げた。
「いつものコースだ。これならハギまで、走れる・・・」
彼女は海沿いの夕焼け色に染められた空を走り続けた。空にも穏やかな波の音はよく聞こえるようだった。
○
ハギでは皆、眠らずに彼女の帰りを待っていた。
空から走って帰ってくるユキを見つけて皆驚いた。
BAL無しで空を駆けるだなんて。
ユキはイチゴの汁をしぼって鍋島に飲ませた。
鍋島は蒼白の顔を、涙なのかイチゴの汁なのかわからないもので濡らしながら
「ユキさん、このイチゴは本当に美味いね」
と言った。
ユキは任務を終えると、極度の疲労からそのまま眠ってしまった。
ユキは鍋島用のイチゴをポシェットに入れ、自らもイチゴを食べて屋上を走り出した。そして屋上の端っこからは、マネキンが言った通りに空気のブロックをイメージしながら一歩目を踏み出した。そして左足、右足、左足・・・。彼女は空中を走っている。その作業に慣れてきたら彼女は元の世界でいつも練習していたコースをイメージして、空気の舗装道路を作り上げた。
「いつものコースだ。これならハギまで、走れる・・・」
彼女は海沿いの夕焼け色に染められた空を走り続けた。空にも穏やかな波の音はよく聞こえるようだった。
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ハギでは皆、眠らずに彼女の帰りを待っていた。
空から走って帰ってくるユキを見つけて皆驚いた。
BAL無しで空を駆けるだなんて。
ユキはイチゴの汁をしぼって鍋島に飲ませた。
鍋島は蒼白の顔を、涙なのかイチゴの汁なのかわからないもので濡らしながら
「ユキさん、このイチゴは本当に美味いね」
と言った。
ユキは任務を終えると、極度の疲労からそのまま眠ってしまった。