かえるのおひめさま
後編*かえるののろい
私たちのクラスは優勝した
審査員になった先生達は
おけいはんのピアノばかり誉めていた
何のためのコンクールかわからないが
学校行事とは「そういうもの」だ
おけいはんの特訓も虚しく
私の唄は一向に上達しなかったが
声のでかさを皆に合わせると
そんなに気にはならなかった
クラスメイトのミッチーの
叔父が経営しているバーに集まり
私たちは打ち上げを行った
店に流れるおしゃれな音楽と
やけにおもしろいマスターと
初めて飲んだお酒の力で
クラスメイトは荒れに荒れた
私が「かえるのうた」を歌う度
クラスメイトは笑い転げた
ふとその店にあったピアノを
おけいはんが弾き始めると
皆の合唱が始まった
それは何度も繰り返され
気づいた頃には
死屍累々の光景がそこにはあった