かえるのおひめさま
その日私は私の王子様とキスをした
お酒の力も手伝ってか
誰かと付き合うなんて初めてで
どうしていいのかわからず
大きく背伸びをしてキスをした
初キッスを人に見られるのは
少しだけ恥ずかしかったけれど
この二人ならいいやと思えた
サクはその間ずっと笑い転げていた
サクは次の日その事をすぐに言いふらし
私の王子様のあだ名が変わった
「カエル」である
「カエル王子」
でないのが引っかかったけれど
「王子」なんて似合わないし
「王子」が二人いてもややこしい
王子は私にフラれた後
1ヶ月もしないうちに
おけいはんと付き合う事となり
とてもラブラブなので私は安心した
中々尻の軽い男だ…
もちろん王子の事は好きだったけれど
そもそも顔が好みではなかった
「カエル」の素朴な優しさと
私を守ってくれそうな大きな体が好きだ
「村上」だから「ショージ」
なんてゆう安直なあだ名よりも
愛らしい「カエル」という名前の方が良い
デートの時に私のわがままで
方々に引きずり回されるなんて
まさに「カエル」がお似合いだ