放浪カモメ
「それから絆の話だけど。俺が思うに、絆って"半分の糸"って書くだろ?」
ビールのなくなったグラスをくるくると回しながら杉宮は語る。
「あれってさ何度チギレて半分になっても、また交換して太くできるからなんじゃないか?そしたらほら二倍だぜ、大丈夫まだまだ強くなるよカモとその新田ってやつの絆はさ。」
鴨居は杉宮には適わないと痛感した。
いつも自然で明るくて、誰からも人気があってやさしくて、でもどこかで真面目に物を考えられる人。
そんな人に――
こんな杉宮の様な人になりたいと、鴨居は強く思った。