放浪カモメ
回想
合コンでのことがあってから、鴨居は周りから見てもあからさまに分かるほど自己嫌悪にひたりきっていた。
不幸中の幸いといえるのは、大川が約束どおり鴨居のことを黙ってくれているであろうことだった。
「相変わらずの音信不通だな……真希。」
鴨居の携帯の中で唯一グループ分けされている女性からの連絡は、ここ1ヶ月ないままだった。
「なんかオレって今"泥沼"ってやつ?」
目的もなく進学して……
ただ授業に出て……
生活費が必要だからバイトして……
淋しいから"知り合い"をたくさん作って……
でも、"友達"って呼べる人は居なくて……
自分はどうしようもなく
孤独なんだ。って……
弱々しく頭を抱えている。
そんな自分が――
大嫌いなんだ。