放浪カモメ
父さんの笑顔が大好きだった。
それは記憶にはない写真として記録された笑顔。
それでもオレはやっぱり父さんの笑顔が大好きだった――
杉宮は静の病室で倒れてから、丸一日眠り続けていた。
そんな杉宮に付きっきりで看病する人の姿がある。
(あ……温かい手。それに大きな手だ。静兄さんじゃない………もしかして)
バッと目を覚ました杉宮が目にしたのは、今頭をよぎった人物ではなどではなかった。
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