放浪カモメ
ほのかに涼しい風が、真夏の焼ける日差しの中を揺れる、そんな日。
鴨居はメグと一緒に和尚に頼まれた買い物をしていた。
「あとは……っと。トイレットペーパーとお供え物か。」
和尚に渡されたメモには日用必需品とお供え物のリストがかかれていた。
「メグちゃん重くない?半分持とうか?」
相変わらずメグはあまり口を開かない。
首を少しだけ横に振って、さっさと歩き始める。
お供え物を買い終え、店の外に出ると、この夏一番の強い日ざしが鴨居とメグを照らす。
暑くて、汗が吹き出すように流れていく。
「もう揃ったよね、帰ろうよ。」
メグが珍しく口を開らいたが、さっさと帰ろう。という内容に鴨居は少しがっかりした。
歩きだす二人。
鴨居はいつもよりゆっくりと歩くのだが、それでも女の子の歩幅にはなかなか合わない。
時折後ろを振り返る。
「メグちゃん大丈夫?」
両手いっぱいに荷物を抱えているメグを心配する鴨居だが、鴨居はすでにそんなメグの二倍の量の荷物を抱えていた。
「平気……。」
少しふらふらしているメグを見て鴨居は、すぐ先に見つけたベンチに座らせることにした。
「飲み物か何か買ってくるから休んでて。」
「えっ……でも。。。」
遠慮しようとしたメグに、微笑み鴨居はジュースを買いに走りだした。
「…………変な人。」