放浪カモメ
二人は千葉へと向かう電車に乗った。

夕方だったために人が多く、二人は何を喋るわけでもなく立っていた。

窓を打つ雨が、夕方の淡い街灯に反射して、金色の網を広げる。

いつもなら何も感じないその景色。

大事な人が隣にいる。たったそれだけで最高に綺麗で……


最高に悲しく思えた。






その夜に杉宮の元に雲静からの連絡が入ることとなる。




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