放浪カモメ
「なっ、先生なにしてるんですか!?」

杉宮はすぐに目を隠すと後ろを向いた。



『パサッ』という音がする。

杉宮は自分の鼓動が早まることに、自ら怒りを感じていた。


「杉宮、見ろ。」

「み、見れません。」


『トッ、トッ』っと足音が近づいてくる。

杉宮は逃げるように前方に、後ずさる。

「見ろ。」

肩にトンと置かれた手は、杉宮が思っていたよりも熱く、力強かった。

杉宮はゆっくりと目を開け、佐野の方へと振り向く。

「……え?」

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