放浪カモメ
大好きな人からこれ以上ない嬉しい言葉が零れた。
嬉しくて嬉しくて、泣いてしまうくらい嬉しいのに――
違う……違うの。
それは私の名前じゃない。
お願い、私の名前を呼んで…そしてもう一度耳元で好きだと言って欲しいよ。
メグは偽りの私――
でも、カモが好きだと言ってくれたメグは一つしか嘘をついてないんだよ?
たった一つの私の嘘。
メグという偽りの名前。
私が楽になる為に吐いた嘘が……
あなたの前では一番私を苦しめている。
お願いカモ。私の本当の名前を呼んで、そして愛して――