放浪カモメ
鴨居を見上げていたメグの目に一羽の鳥が写った。
「あ、カモメだ。」
しばらく二人は目でカモメの姿を追った。
そうして見えなくなるとメグがこう切り出した。
「あの子って私達みたいだね。」
「え?どこがだい?」
鴨居はメグの肩をしっかりと抱きながら聞く。
「はたから見たら自由に度をしている様で、本当は必死に不安とか孤独と戦いながら自分の居場所を探してる。」
大学三回生になって自転車で一人旅。
ここだけ聞いたら凄く活発で有意義な時間を過ごしているように周りは感じるかもしれないけど……
確かにメグちゃんの言う通りで。
オレたちは一人旅をしているわけじゃないんだ。
一人が怖いから旅をして探しているんだ――
夢とか目標とか自分とか居場所とか今とか未来だとか。
そんな、あるのかも分からない。いや、きっとないものを探してただ必死に藻掻いてるだけなんだよな。
「私達は"放浪カモメ"だね。旅をしているカモとメグで放浪カモメ。ね?」
そう言ってメグは笑った。
つられて鴨居も笑う。
「あ、カモメだ。」
しばらく二人は目でカモメの姿を追った。
そうして見えなくなるとメグがこう切り出した。
「あの子って私達みたいだね。」
「え?どこがだい?」
鴨居はメグの肩をしっかりと抱きながら聞く。
「はたから見たら自由に度をしている様で、本当は必死に不安とか孤独と戦いながら自分の居場所を探してる。」
大学三回生になって自転車で一人旅。
ここだけ聞いたら凄く活発で有意義な時間を過ごしているように周りは感じるかもしれないけど……
確かにメグちゃんの言う通りで。
オレたちは一人旅をしているわけじゃないんだ。
一人が怖いから旅をして探しているんだ――
夢とか目標とか自分とか居場所とか今とか未来だとか。
そんな、あるのかも分からない。いや、きっとないものを探してただ必死に藻掻いてるだけなんだよな。
「私達は"放浪カモメ"だね。旅をしているカモとメグで放浪カモメ。ね?」
そう言ってメグは笑った。
つられて鴨居も笑う。