放浪カモメ
そして鴨居は誰に言うでも、家に一旦帰るでもなく、その足で大阪を目指した。

途中、駅へ向かう時にコンビニのATMでありったけの貯金をおろし旅の資金にすることにした。

千葉駅から東京駅へと向かい、人生で二度目となる新幹線に乗った。

新幹線は流れる景色がいつもの電車とは違ってとても速かった。

ほんの数十分の間に面白いほど簡単に、町の景色や山並み、天候さえも変わっていく。

名古屋を過ぎた辺りから天気は悪くなりだし、鴨居が大阪へと到着した時には大粒の雨が降りしきっていた。


< 235 / 328 >

この作品をシェア

pagetop