放浪カモメ
「大阪かぁ、人多いな。」

混雑している大阪駅は、尋常じゃないくらいに人で溢れかえっている。

人波にさらわれないように改札を抜けると、ある人物との待ち合わせ場所へと向かう。

「緊張するなぁ。いくら杉宮先輩の知り合いとはいえ知らない人の家にお世話になるなんて。」

別に鴨居は人見知りというわけではなかったが、人並みの不安を抱えてはいた。

そして待ち合わせ場所となるタクシー乗り場へと辿り着くと、一人の少年が待っていた。



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