放浪カモメ
次の日。
鴨居は朝早くから、お世話になった12の施設を訪れていった。
みんな「良かったね」と本当に優しく言ってくれた。
前園は提携をしている宮崎の園へと出張をしてしまったらしく会うことができなかったが、越智が前園からの伝言を伝えてくれた。
「肩の力は抜いて、気張っていきなさい。だそうですよ。訳分かりませんね。」
そう言って越智が笑うとまわりにいた子供たちが、一斉に「わけ分かんなぁい」と言ったのが可笑しくて鴨居は笑った。
千葉へと戻る新幹線の中。
鴨居は泥のように眠った。
起きたのは終点東京に着き、清掃員さん達が片付けようとした時に寝ている鴨居を見つけて、起こしてくれたからだった。
それほどまでに鴨居は疲れていたし、同じくらいに安堵を感じていた。
深夜近くになりようやく家に着いた。
あんなに狭くて嫌になっていた七畳の部屋が、独りきりというだけで、どうしようもなく広く感じた。
鴨居は朝早くから、お世話になった12の施設を訪れていった。
みんな「良かったね」と本当に優しく言ってくれた。
前園は提携をしている宮崎の園へと出張をしてしまったらしく会うことができなかったが、越智が前園からの伝言を伝えてくれた。
「肩の力は抜いて、気張っていきなさい。だそうですよ。訳分かりませんね。」
そう言って越智が笑うとまわりにいた子供たちが、一斉に「わけ分かんなぁい」と言ったのが可笑しくて鴨居は笑った。
千葉へと戻る新幹線の中。
鴨居は泥のように眠った。
起きたのは終点東京に着き、清掃員さん達が片付けようとした時に寝ている鴨居を見つけて、起こしてくれたからだった。
それほどまでに鴨居は疲れていたし、同じくらいに安堵を感じていた。
深夜近くになりようやく家に着いた。
あんなに狭くて嫌になっていた七畳の部屋が、独りきりというだけで、どうしようもなく広く感じた。