放浪カモメ
手をつないで町を歩いた。
たまに人に見られたりして二人で顔を赤くした。

まだ産まれてもいない子供の服やおもちゃを選ぶのに三時間もかかった。


久しぶりの外食はすごく美味しくて……

ちょっぴり高かった。


｢はぁ、楽しかったねぇカモ。｣

｢うん。それよりメグ疲れたりしてない？少し休もうか？｣

街を歩いてる時も、服を選んでる時も、鴨居はメグの体調を細かく気にしていた。

そんな鴨居の気遣いがメグには嬉しくてたまらなかった。

｢うん、平気だよアリガト。｣

夜の街はイルミネーションが綺麗で、二人でいるただそれだけで時間を過ごすことができた。

周りでは｢肌寒いね｣なんて言ってカップルが寄り添いはじめた。

二人は顔を見合わせると、くすりと笑う。

｢まだ肌寒いね。｣

｢うん。｣

輝く町並みの中で二人は寄り添う。

しばらくするとメグが小声で｢幸せだね｣と言った。

本当にそうだと鴨居は思った。




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