放浪カモメ
メグは大阪の相川家の墓に一緒に居た。
線香をあげて、墓石に水をかけて、鴨居は目を瞑った。
「さて、行こうか……メグ。」
「うん、行こうカモ」そう空から言い返してくれた様な気がして鴨居は澄み切った空を見上げた。
すると――
「あ、カモメだ……めずらしいなこんな所を飛ぶなんて。あ、そうか。」
鴨居は笑ってマウンテンバイクに乗ると、そのカモメを追い掛ける様にして走りだしていった――――
旅は終わらない。
放浪カモメはどこまでも――
終わり。