放浪カモメ


樹、渾身の正拳突きが康太の頬に炸裂。

型にピッタリとはまった美しい拳はそのまま康太を何メートルも吹き飛ばしていった。

康太は口から血の混じった泡を拭きだしながら地面に倒れこんだ。

「馬鹿野郎、樹。あいつアゴ砕けてるぞ。」

康太はそのまま気絶していた。

「わ、わりぃ。あの野郎、道具持ち出してきやがったから、ついカッとなっちまって……さ。」

「悪ぃ、で済むかこの馬鹿。」

杉宮は足で樹の尻を蹴りとばす。

そして携帯を取り出すと、眠っている不良達のために救急車を呼んだ。





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