放浪カモメ
工事現場から少し離れた空き地。
そこでは岡崎が杉宮達の帰りを今か今かと待ち望んでいた。
「カモ先輩……要先輩……皆どうか無事でいてください。」
すると、杉宮が鴨居を支えながら樹と共に空き地に入ってくるのが見えた。
岡崎はすぐさま三人の元へ駆け寄っていく。
その時、工事現場には杉宮の呼んだ三台の救急車が到着したのだった。
杉宮が鴨居をゆっくりと地面に寝かせてやると、岡崎は鴨居を抱き締めながらわんわんと泣き崩れた。