放浪カモメ

「さてと、俺はそろそろ行くよ。昼休みの時間過ぎちまったからジジィが煩せぇだろうし。」

樹はそう言うと、すたすたと空き地の入り口にまで歩いていく。

そして、入り口の所で杉宮が照れ臭そうに言った。

「樹……サンキューな。」

樹は、ふん。と照れ隠しをしながら言い返す。

「礼なんか要らねぇよ。……まぁ、なんだ。兄さんの初めての友達だからな、何かあったら俺も守るさ。」

そして樹は最後に鴨居を見て一言。



「鴨居くん。要…いや、兄さんのこと宜しく頼むよ。」

「…はい。」


そうして樹は去っていった。
< 76 / 328 >

この作品をシェア

pagetop