放浪カモメ
「その子をもしもオレが取ったらカモはどうする?」
「…んー?」
ぱくぱくとカレーを口に運んでいく鴨居。
どうやらマヨネーズで中和してもまだ辛かったようで、頻繁に水を飲んでいた。
超真面目な顔で話す新田。
明らかにうわの空で聞く鴨居。
端から見るととても不思議な会話はつづいていく。
「良いんだな?」
「…んー?うん。」
今の鴨居の返事は、明らかに質問されたから適当に返事をした。というのが誰から見てもみえみえだ。
「そっか、じゃあ俺今週中にでも早苗ちゃんに告白するからな。」
「…うん。」
鴨居は返事をしていたが、どうやら今の言葉は新田が新田自身に言ったことのように思える。
新田は鴨居に言うことで、自分の迷いを断ち切りたかったのだろう。
「カモ、オレ頑張るよ……」