放浪カモメ
「俺ね、初めて早苗ちゃんに会った日から早苗ちゃんのこと好きだったんだ。」
落ち着いた穏やかな声で、そう言われて岡崎は耳を真っ赤にする。
「俺のタイプってさ。背が高くてスラッとした女の子らしい子、だと思ってた。早苗ちゃんそれとは真反対なんだもん。自分でもビックリしたよ。」
そう言って笑う新田。
「なっ!!失礼じゃないスか……もう。」
顔を真っ赤にしながら岡崎はそう言った。
きっと怒りに顔を染めていたわけではないのだろう、新田に好きだ、と言われてからずっと頬を染めている。
「うん…だから。ああ、そうか好きなんだ。って気付いた時には、どこが好きとかじゃなく岡崎早苗という女の子が好きなんだって。思った。」
岡崎は恥ずかしさからか下を向いている。
「ああそうか"理屈じゃない好き"ってこういうことか。って思えたんだ。」
最後に新田はにっこりと微笑んだ。