【短編】片想いに貼る薬


やっとあなたと話せたときには

もう夕方。

春のはじめの

暖かい空気が残る夕暮れ。

あのね、わたし…



心臓が

ドクドクして

胸が痛いくらい

喉がつまって

言葉が出てこない

多分わたし

真っ赤だろうな


まわりには、まだ数人の人

でも言わなきゃ


いま言わないと、

きっと後悔する。



でもでも、もし、拒絶されたら?

そんな小さな不安がよぎって

わたしはまた

勇気が出せない



< 37 / 48 >

この作品をシェア

pagetop