共鳴り
次は、じーさんとばーさん。


もちろん会ったことはあるんやけど、まず関西弁で怪訝な顔されてな?


俺としては、物心ついた頃から関西人やし、それしか喋られへんけど、みたいな。


おまけに娘が自殺したっちゅーのに、悲しみもしない。


迷惑そうな顔して、俺に向けてあからさまなため息や。


近所の目だって、痛々しかった。


そらオカンも、こんなとこ帰ってきたくなかったやろうなぁ、って不憫に思ったわ。


じーさんってのが、一帯の地主らしいねんけど。


オカン、お嬢かいな、って。


オカンの兄弟は市議とか務めてるらしくて、まぁ、そういうのもあったんやろうけど。



「えぇよ、施設でもどこでも行ったるわ。」








じーさんもばーさんも、それこそ親戚みんな、親父のこと嫌いやったんやて。


まぁ俺、それの息子やしな。


おまけにオカンが自殺とか、醜聞やもんなぁ。


やから別に、辛くはなかってん。


オカンの悪口聞く方が、よっぽど辛かってん、俺。

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