共鳴り
二度、三度と会っても、やっぱりそれは変わらなかった。


清人がどこまで話してるんかは知らんけど、彼女は俺を“ギンちゃん”と呼びながらも、気を許している素振りは決して見せない。


ただの知り合い?


けど、清人がそんなものを作るはずなんてないし、多分ヤッてるんやとも思った。


なのに落とす気配はおろか、そんな雰囲気さえ微塵も見せることはないんや。



「ホンマのこと言えや。」


帰りの車内、俺は低く吐き捨てた。


清人はまるで口を閉ざすように煙草を咥え、流れる景色に視線を向ける。


何でもかんでも言わないことで隠すのは、コイツの悪い癖や。



「なぁ、ならあの子、俺にくれや。
俺が速攻で落としたるから。」


言った瞬間、ガッと首を掴むように引かれ、驚いて急ブレーキを踏んだ。


悲鳴を上げるようなタイヤ音の中で、清人の恐ろしく冷たい瞳に睨まれ、俺は無意識のうちに目を見開きながら、喉の奥が閉まるのを感じてしまうが。



「誰が落としても一緒ちゃうん?
やったら俺んが早いで?」


それでも言うと、更に清人はそこに力を込めた。


俺に敵意剥き出しな顔するなんて、今まで一度としてなかったはずやのに。



「あれは俺が飼ってんだよ。」


「…は?」


「てめぇが口出すことじゃねぇだろ。
第一、俺は自分の仕事ちゃんとやってんだから、どこで何してようが関係ねぇ。」


ちょっ、待てや。


“飼ってる”の意味なんかわからんし、ハメんのちゃうんかい、って。



「本気で言うてるん?」

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