共鳴り
強制捜査は当然だけど失敗に終わり、警察は苦虫を噛み潰したような顔して帰って行ったのだと言う。
正直俺は、心の底から安堵した。
「チャコールは当分、ノミ行為はせずに普通に営業させろ。」
けど、と嶋さんは言う。
「ポリが勘付かなきゃ良いけどなぁ。」
事前に情報が漏れていたこと、そして内通者がおること。
俺らは結局のことろ、薄皮一枚で繋がってるようなものってことや。
「まぁ、あちらさんの出方次第だけどよぉ。
国光、頼んだぞ。」
頼まれた彼は、相変わらずくちゃくちゃとガムを噛みながら、へらへらと笑っていた。
嫌になるくらいにひとりだけ緊張感がなく、俺は呆れ返るばかりなんやけど。
「犬共は適当に庭でも駆け回ってろよ。」
つまりは俺らは、それぞれ連絡を待ってろ、ってこと。
清人はもうずっと、張り詰めた顔ばかりしている。
いつ電話しても出るし、それ以前に絶対ちゃんと寝てないんやろう、ひどく心配になった。
まぁ、それも当然やろう、チャコールの関係者の誰かが捕まれば、真っ先に清人の名前が上がるんやから。
「俺さ、そのうちいつか、レナのこと殺しそう。」
彼は悲しい目をして口元を緩め、そう自らの手の平へと視線を落とした。
誰かを壊すか、それとも自分が壊れるか。
そこまで追い込まれてる清人は、力なくも笑って見せる。
やからこそ、俺は清人がレナちゃんとこ行くってわかってても、止める術がなかってん。
もう、アイツ自身、心を許せる場所はあの子のことろしかないんやろうから。
正直俺は、心の底から安堵した。
「チャコールは当分、ノミ行為はせずに普通に営業させろ。」
けど、と嶋さんは言う。
「ポリが勘付かなきゃ良いけどなぁ。」
事前に情報が漏れていたこと、そして内通者がおること。
俺らは結局のことろ、薄皮一枚で繋がってるようなものってことや。
「まぁ、あちらさんの出方次第だけどよぉ。
国光、頼んだぞ。」
頼まれた彼は、相変わらずくちゃくちゃとガムを噛みながら、へらへらと笑っていた。
嫌になるくらいにひとりだけ緊張感がなく、俺は呆れ返るばかりなんやけど。
「犬共は適当に庭でも駆け回ってろよ。」
つまりは俺らは、それぞれ連絡を待ってろ、ってこと。
清人はもうずっと、張り詰めた顔ばかりしている。
いつ電話しても出るし、それ以前に絶対ちゃんと寝てないんやろう、ひどく心配になった。
まぁ、それも当然やろう、チャコールの関係者の誰かが捕まれば、真っ先に清人の名前が上がるんやから。
「俺さ、そのうちいつか、レナのこと殺しそう。」
彼は悲しい目をして口元を緩め、そう自らの手の平へと視線を落とした。
誰かを壊すか、それとも自分が壊れるか。
そこまで追い込まれてる清人は、力なくも笑って見せる。
やからこそ、俺は清人がレナちゃんとこ行くってわかってても、止める術がなかってん。
もう、アイツ自身、心を許せる場所はあの子のことろしかないんやろうから。