共鳴り
瞬間、レナちゃんやと思った。


嶋さんは、僅かに揺れた俺の瞳の動きを見逃すことはなく、ふっと口元を持ち上げる。



「言えよ。」


言えるわけないやん。


だってそしたら清人、殺されるかもしれへん。



「知らん言うてるやんけ!」


瞬間、またガッ、と同じ場所に拳が打たれる。


俺ははぁはぁと肩で息をしながら、だけども彼を睨み上げた。



「じゃあ、忍耐力比べでもするか?」


ゾッとするほどの低い声。


思わず身を強張らせると、俺の肩口を掴んだまま、振り上げた右腕が降ってきた。


鈍い音と、そして脳が揺れる衝撃。


ガキ同士の喧嘩なんかとは比べモノにならないほど、それは重い。



「お前が言ったなんて黙っててやるからよぉ。
ギンだってジルの目覚まさせてやりてぇだろう?」


イッてるで、この人。


口元を拭うと、微かに血の味がするから嫌になる。



「道具でも使ってやろうか?」


歯でも抜かれるのか、爪剥がされるのか知らんけど。


にやりとした薄笑いに、俺は唇を噛み締めた。



「それともお前の大事な女、殺してやろうか?」

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