共鳴り
「…何、を…」


「妹だよ、一緒に暮らしてんだろう?」


本気の目やった。


本気でこの人は、理乃をどうにかするつもりなんや。



「理乃は関係あらへんやろう!
アイツはただの妹やしっ…」


ムキになるなよ、の言葉に遮られ、俺ははっとした。


多分、カマ掛けられただけやったんや。



「自分は良くても妹はダメってか?
お前、ジルと妹選べよ。」


言わんとしていることくらい、すぐに察しがついてしまう。


理乃に何かされたくなきゃ、清人の情報売れってことや。



「…そん、なん…」


そんなん無理に決まってるやん。


返答を待つような顔の嶋さんは、依然俺の肩口を掴んだまま、器用にポケットから煙草の一本を抜き、火をつけた。


一口吸いこみ吐き出した刹那、それは俺の腕になじられる。


小さな熱塊に、俺は言葉にならない苦痛にくぐもった声をあげた。



「何だよ、性根入ってんじゃねぇか。」


痛みで意識がもうろうとする。


嶋さんの眼光は、そんな俺を蔑むように捉えていた。


本気でやるってことの証明や。

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