共鳴り
俺らの25の誕生日が、もうすぐそこまで迫っていた。


清人と2週間しか違わへんから、ホンマ同じくらいやねんけど。


全然嬉しさなんてなくて、やっぱり虚しさばかりが込み上げてきた。


昔はオカンがケーキ焼いてくれたし、みゆき園ではみんなに囲まれて祝われた。


清人と暮らし始めてからは、花穂ちゃんがサプライズしてくれててん。


なのに今は、誰も俺が生まれたことなんか祝ってくれない。


清人も俺も、それどころじゃないねん。








「俺もう、レナとダメかも。」


漏らされた台詞が漂い消える。


何度見ても、清人の悲しそうな顔が嫌いやった。


多分、彩とのことがバレてるんやろう、彼はぼそりと言って宙を仰ぐ。


悲しい時、清人は無意識なんやろうけど、いつも視線を上の方に投げるねん。


それがまるで涙を堪えているような顔に見えて、いたたまれなくなるんやけど。



「俺がおるやんけ。」


言って、肘で小突くと、清人は小さく笑ってくれた。


心をすり減らし、そこまでしてコイツが金を稼ぐ理由はわからへんけど、でも、もう聞くことはなかった。



「お前、理乃とどうなの?」

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