共鳴り
人には必ず、心の中に誰が住んでいるのだと言う。


それによって、嬉しくなったり悲しくなったりするのだとか。


俺の心の中にはいつも、理乃しか居なかった。


清人は、レナちゃんはどうなんやろう。





耳障りな雨音。

雲に覆われた空。


長い夜ばかりが続く。




ぬくもりがなくて、
面影を探して、

結局は悲しくなるんや。




何が悪いとかじゃない。

誰が悪いとかでもない。



ただ、苦しくて堪らない。




こんな毎日が嫌で、

でも逃げ出せるほどの気力もない。



流れに流されているんやろう。



格好悪い生き方や。

オカンが見たら悲しむやろうなぁ。





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