共鳴り
≪第四章≫

彼らと誕生日

「キヨちゃん、明日の予定はー?」


聞いたのに、清人はため息を混じらせるだけ。


明日は誕生日やってのに、ちっとも嬉しそうな顔なんかしていない。



「暇なんやったら飯でも奢ったるで?」


「悪ぃけど、明日は彩と。」


「…彩?」


「の、後でレナの予定だから。」


へぇ、それはそれは。


コイツは自分の誕生日をも仕事に利用するつもりなのか、それとも単にたまたまなのか。



「彩、そろそろえぇんちゃうん?」


「いや、あれはまだ引っ張れるよ。」


どんだけあの子から絞り取るつもりなんやろう。



「けど、誕生日くらいレナちゃんとゆっくりしたらえぇやん。」


「応援してくれてんだぁ?」


「べっつにー。」


別に、応援してるとかじゃないけど、やっぱりもう、よくわからへんねん。


ただ俺は、誰の辛い顔も嫌い、ってだけや。



「俺さ、レナと会うの怖ぇんだ。」

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